令和8年度・保育所状況レポート:微妙に構造変化?

昔はこどもたちと保育園で遊んだなぁ…15年前だ

渋谷区議会議員の鈴木けんぽうです。

本日開催された文教委員会にて、令和8年度(2026年度)の「保育所等入所状況」が報告されました。

数値上は「待機児童ゼロ」を継続していますが、その内訳を見ると、保育ニーズの変化や新たな課題も見えてきます。

まだわかりませんが、微妙に構造変化したのかも?

5年ぶりの需要増加。ただし「枠」にはかなり余裕あり

令和8年4月1日現在の入所状況について報告を受けました。

大きなポイントは、ここ数年続いていた減少傾向が止まり、入園申込数が前年比53人増の1,234人と増加に転じたことです。

報告された主な数値は以下の通りです。

項目人数
入所申込総数1,234人(前年比53人増)
認可・認定保育園への入所者969人
待機児受け皿(認可外等)への入所者60人
(うち区立保育室)(18人)
(うち認証保育所等)(13人)
(うち居宅訪問型保育等)(29人)
申込取下げ等205人
待機児童0人

この結果、計算上は、申込1,234人から申込取下げ等205人と入所者1,029人を差し引き、待機児童数は今年も「0人」となっています。

一方で、施設全体の余裕についても報告がありました。区全体の認可保育所等の定員6,148人に対し、実際の在籍児童数は4,776人であり、差し引き1,300人分以上の定員余裕がある計算です。

年齢別に見ると、需要は依然として0歳児(464人申込)や1歳児(605人申込)に集中しています。高年齢児の空き枠をどう活用していくかは、引き続き重要な焦点です。

また、今回の質疑とは直接関係しませんが、定員に余裕がある状況を活かし、保育の質の向上等にも取り組む必要があります。

委員会での代表的な質疑

各委員の質疑のうち、代表的なものを紹介します。なお、私のメモからの書き起こしですので、正確な内容は後日発行される委員会議事録をご確認ください。

1. 「申込取下げ等205人」の内訳は?

待機児童数0人を算出する際に差し引かれる「申込取下げ等」の205人について、内訳が確認されました。

もともと育休を延長する意向があり、「不承諾通知」を得るために入園申し込みをする方もいるため、この内訳は重要です。

  • 内定辞退:74人
  • 育休延長目的:71人
  • 特定の園のみを希望:60人

2. 大山保育室の今後とロードマップ

仮設校舎設置計画がある大山公園で実施されている「大山保育室」についても質疑がありました。

区側は、周辺の大型マンション開発などにより今後も保育需要が見込まれるとして、「単純に閉園するのではなく、近隣での代替施設や移設を検討する」考えを示しました。

3. 「誰でも通園制度」の反響

今年度から本格実施された「誰でも通園制度」についても報告がありました。

4月時点で、区立保育園だけでも登録者数は16人となっており、すでに枠はほぼ埋まっている状況とのことでした。

こども誰でも通園制度(渋谷区サイト)

私(鈴木けんぽう)からの質疑

私からは、主に「数字が反転した背景」と「個別保育ニーズの正体」について質疑を行いました。

Q. 数年減少が続いていた申込数が、なぜ今回増加に転じたのか?

私は、久々の増加となった入園申込数の前年比53人増について、その要因を確認しました。

区側は、「第1子からの保育料無償化」の開始や、共働き世帯のさらなる増加が大きな要因ではないかとの分析を示しました。

この傾向が仮に続くのであれば、子育て関係の施設の縮小もあまり必要ないということになります。そうであってほしいところ…

Q. 居宅訪問型保育の利用増は、積極的な選択なのか?

現在、待機児の受け皿として「居宅訪問型保育等」の利用が29人となっており、認可外等の受け皿の中では最大のボリュームになっています。

私は、これが「シッター保育という形態が積極的に選ばれている、つまりニーズが変化している」のか、それとも「供給側の問題(希望園に入れず、他の施設も遠かったり肌に合わなかったりでやむを得ず選ばれている)がある」のかを問いました。

区の回答は、「具体的な理由までは把握しきれていないが、数として増えているのは事実」というものでした。

私からは、もしニーズの変化により積極的に選ばれているのであれば、今後の施設整備のあり方を検討するためにも、より詳細な「利用者ニーズの分析」を行うよう要望しました。原因が把握できていなければ対策は意味のないものになりますので。


終わりに:次に考えるべきこと

申込の増加、そして居宅訪問型の増加。これらはもしかしたら渋谷区の保育ニーズの構造的変化を示しているのかもしれません。この原因を特定したうえで、次のうち手を構築していく必要があります。

待機児童数「0」という記号に満足することなく、多様化する保護者のニーズと、現場の「空き枠」をいかにミスマッチなく結びつけていくか。

引き続き、渋谷の保育環境の改善と最適化に取り組んでまいります。